
そろそろ親の介護認定を考えた方がいいのかな…
そう思っても、何から始めればいいのか分からず不安になりますよね。

こんにちは。OTちゃりんこと作業療法士のちゃりんです。
入院中であれば、ソーシャルワーカーさんが動いてくれて、気づいたら介護認定が進んでいた…というケースもあります。
でも、自宅で生活している場合は、誰が何をすればいいのか分からないまま時間が過ぎてしまうことも少なくありません。
- 最近もの忘れが増えてきた
- できていたことが少しずつ難しくなってきた
- そろそろ介護サービスを考えた方がいい気がする
そんなときに知っておきたいのが、介護認定の流れです。
この記事では、申請から結果、サービス開始までの流れを、はじめての方にも分かるように解説します。
読み終わるころには、「次に何をすればいいか」が分かるはずです。
介護認定とは?まず知っておきたい基本
介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な手続きです。
訪問介護・デイサービス・福祉用具・施設入所など、多くの介護サービスは、要介護認定を受けてはじめて利用できる仕組みになっています。
つまり、介護認定は介護サービスのスタート地点
「介護が必要かも」と思ったら、まず最初に行うのがこの手続きです。
▼介護保険制度の基本については「介護保険とは」の記事で詳しく解説しています。
認定を受けられる対象者(第1号・第2号)
介護認定は、すべての人が申請できるわけではありません。
対象は次の2つのグループです。
第1号被保険者(65歳以上)
原因を問わず、介護や支援が必要になった場合に申請できます。
例
- 認知症
- 転倒や骨折
- 体力低下
- 病気による生活機能低下
多くの人がこのケースに当てはまります。
第2号被保険者(40〜64歳)
こちらは少し条件があります。
特定疾病(16種類)による介護が必要な場合のみ申請可能です。
例
- 脳梗塞
- パーキンソン病
- 若年性認知症 など
要支援・要介護の区分一覧
介護認定の結果は、次の区分で判定されます。
要支援
- 要支援1
- 要支援2

生活はある程度できるが、少しの支援で生活ができる状態です
要介護
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5

日常生活に介護が必要な状態。数字が大きいほど介護量が増えます
この認定結果によって、使えるサービス量や内容が決まります。
次の章では、申請からサービス開始までの全体の流れを見ていきましょう。
介護認定の流れ【全体像】
介護認定は、申請してすぐに結果が出るわけではありません。
実は、いくつかのステップを順番に進んでいく仕組みになっています。
ここではまず、全体の流れをざっくり確認しておきましょう。

申請からサービス開始までの7ステップ
介護認定の基本の流れは次のとおりです。
- 申請
- 認定調査(訪問調査)
- 主治医意見書の作成
- 判定(審査)
- 結果通知
- ケアマネジャー決定
- 介護サービス選択・契約・開始
この流れを約1〜2か月かけて進んでいくイメージです。
まずは全体スケジュールを知ろう
初めて介護認定を考えるとき、「何から始めればいいの?」と不安になりますよね。
でも安心してください。
実際に家族が動く場面は、そこまで多くありません。
家族が主に関わるのはこの3つです。
- 申請する
- 主治医に状況を伝える(意見書作成につながる)
- 認定調査に立ち会う
申この3つを押さえておけば、流れはしっかり進んでいきます。
次の章から、ステップごとに詳しく見ていきましょう。
申請(要介護認定を受けるには)
介護認定は、申請しないと始まりません。
「介護が必要かも」と感じたら、まずは申請からスタートします。
どこで申請する?(市区町村/地域包括支援センター)
介護認定の申請は、基本的に 住んでいる市区町村(介護保険の窓口) で行います。
ただし実際は、地域包括支援センターが最初の相談窓口になることが多く、申請の書き方を教えてくれたり、自治体によっては申請書の提出を受け付けてくれる場合もあります。
迷ったらまずは地域包括支援センターに相談 → 必要に応じて役所の申請につなぐこの流れが安心です。
※窓口の運用は自治体によって多少異なります。
誰が申請できる?(本人・家族・代理)
申請は本人だけでなく、家族でも行えます。
申請できる人
- 本人
- 家族
- 地域包括支援センター
本人が手続きできなくても問題ありません。
家族が代わりに申請するケースがほとんどです。
申請に必要なもの
申請時に準備するものは多くありません。
自治体によって多少違いはありますが、一般的には次のものを求められます。
- 介護保険被保険者証(65歳以上)
- 健康保険証(40〜64歳の場合)
- 主治医の情報(病院名・医師名・受診先)
自治体によっては、印鑑や本人確認書類を求められることもありますが、不足があっても窓口で教えてもらえるので心配はいりません。
申請自体は難しい手続きではなく、相談しながら進められることがほとんどです。
▼「いつ申請すべきか?」については、別記事で詳しく解説しています。
認定調査(訪問調査)
申請後、認定調査員が自宅や入院先を訪問し、本人の心身の状態や日常生活の様子を確認します。
調査時間は30分〜1時間程度が一般的です。
認定調査とは?何をするの?
認定調査では、これらを評価します。
- 身体機能
- 日常生活動作
- 認知機能
- 生活状況
調査前に家族が準備しておくこと
家族が同席し、普段の困りごとを具体的に伝えることがとても大切です。
特に「できる日」ではなく、
普段困っている状態を伝えることがポイントになります。
▼認定調査の詳しい対策はこちら
主治医意見書
申請をすると、市区町村から主治医に「主治医意見書」の作成依頼が送られます。
主治医意見書は、医師が医学的な視点から本人の状態を書く書類です。
認定調査の結果とあわせて、介護度を判断する大切な資料になります。
主治医意見書とは?
主治医意見書には、次のような内容が記載されます。
- 病名や既往歴
- 身体機能の状態
- 認知機能の状態
- 今後の見通し
- 医学的管理の必要性
医師が専門的に記載するため、家族が書く書類ではありません。
家族がやるべきこと

医師が書くなら、家族は何もしなくていいの?
と思うかもしれませんが、実はここが大事なポイントです。
主治医が日常生活の細かな困りごとまで把握しているとは限りません。
そのため、受診の際には次のことを伝えておくと安心です。
- 最近できなくなったこと
- 転倒や物忘れの具体例
- 家族が困っている場面
- 夜間の様子や介護負担
普段の生活の様子を具体的に伝えることがとても重要です。
受診時に伝えるポイント
ポイントは、「良い日」ではなく「普段困っている状態」を伝えること。
診察室では頑張ってしまう方も多いですが、介護認定は日常生活の困りごとが基準になります。
実際に、入院中の医師が意見書を書いたときは介護度が低く出たものの、普段の生活状況をよく把握しているかかりつけ医が書いたことで、適切な介護度が出たケースもあります。

どれだけ普段の困りごとを共有できるかが大きなポイント。
メモにまとめておくと、伝え忘れを防げます。
主治医意見書の作成が終わると、調査結果とあわせて判定へ進みます。
次は、介護度がどのように決まるのかを簡単に見ていきましょう。
判定
認定調査と主治医意見書がそろうと、いよいよ介護度の判定が行われます。
判定会が開かれ、医師・看護師・介護職などの専門職が集まり、要支援・要介護の区分が決定されます。
この段階で、家族が新たに行う手続きは基本的にありません。
結果の通知を待つ形になります。
結果通知
判定が終わると、介護認定の結果が自宅に郵送で届きます。
結果はいつ届く?(原則30日)
介護認定の結果は、申請から原則30日以内に通知されます。
ただし、実際にはいろいろな理由で1〜2か月ほどかかることも珍しくありません。
「遅いな…」と感じても、よくあることなので安心してください。
要支援・要介護区分一覧
結果通知には、次のいずれかの区分が記載されます。
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1〜5
- 非該当(自立)
この結果によって、使えるサービス量や内容が決まります。
結果に納得できない場合(不服申立て)
結果に納得できない場合は、不服申立て(審査請求)を行うこともできます。
ただし、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談することが一般的です。
状態が変わった場合(区分変更申請)
認定後に状態が変わった場合は、区分変更申請を行うことができます。
「思ったより軽い結果だった…」という場合でも、見直しは可能です。
吹き出し:少しでも不安を感じたら、早めに相談・申請しておくことが安心につながります。
ケアプラン作成とサービス開始
介護認定の結果が届いたら、いよいよ介護サービスの利用開始に進みます。
ここからは「実際の支援が動き出す」段階です。
ケアマネジャーを選ぶ
介護サービスを利用するためには、ケアマネジャー(介護支援専門員)が必要になります。
ケアマネジャーは、本人や家族の希望を聞きながらどんなサービスをどれくらい使うかを一緒に考えてくれる存在です。
地域包括支援センターや自治体から紹介してもらえることが多く、自分で探す必要はほとんどありません。
ケアプラン作成の流れ
ケアマネジャーが決まると、次はケアプラン(介護サービス計画)を作成します。
主な流れはこちら。
- 自宅訪問・聞き取り
- 困りごとや希望の整理
- サービス内容の決定
- サービス事業所との調整
この流れを経て、いよいよサービスがスタートします。
認定前でもサービスが使えることがある(暫定ケアプラン)
実は、結果が出る前からサービスを利用できる場合があります。
これを暫定ケアプランといいます。
ただし、これは誰でも必ず利用する制度ではなく、生活が難しいなど緊急性が高い場合に検討されることが多いものです。

そのため実際には、結果を待っている間のサポートとして自費サービスを利用する方も少なくありません。
例えば、通院付き添い、見守り、家事支援、入浴介助など、介護保険を待たずに利用できるサービスもあります。
ここまで進めば、介護サービスの利用が本格的にスタートします。
次は、申請から結果までにかかる期間について見ていきましょう。
家族がやることまとめ

ここまで読んで、「流れは分かったけど、結局家族は何をすればいいの?」と感じている方も多いと思います。
そこで、家族がやることをタイミング別にまとめます。
申請前〜申請直後にやること
まず大切なのは、困りごとを整理しておくことです。
- 最近できなくなったこと
- 転倒や物忘れの様子
- 夜間の状況
- 家族の介護負担
また、主治医の受診時には、普段の生活状況を具体的に伝えておくことが重要です。
主治医意見書は医師が書きますが、日常生活の困りごとをどれだけ共有できるかがポイントになります。
申請後にやること
申請後、家族が関わる主な場面は次のとおりです。
- 認定調査への立ち会い
- 普段の困りごとを具体的に伝える
「できること」ではなく、「普段困っている状態」を伝えることが大切です。
結果後にやること
結果が届いたら、次はサービス利用の準備に進みます。
ケアプランはケアマネジャーが作成しますが、どのサービスを使うか、どの事業所を選ぶかを決めるのは家族です。
- どのサービスを使うか
- どの事業所にお願いするか
- 曜日や時間の調整
ケアマネジャーから複数の候補が提示されることが多く、その中から選ぶ作業が待っています。
ここも大切なステップです。
よくある質問(FAQ)
介護認定について、よくいただく質問をまとめました。
入院中でも申請できる?

できます。
入院中でも介護認定の申請は可能です。
病院のソーシャルワーカーが手続きをサポートしてくれることも多く、退院後の生活に向けて早めに申請するケースもあります。
何歳から申請できる?

原則は65歳以上です。
ただし、40〜64歳でも脳梗塞・パーキンソン病などの特定疾病が原因で介護が必要な場合は申請できます。
認定は一度受けたら終わり?

介護認定には有効期間があります。
期間が近づくと更新手続きが必要になり、状態に応じて介護度が見直されます。
認定が出なかったらどうなる?

使えるサービスもあるので相談してみてください。
結果が「非該当(自立)」になる場合もあります。
その場合でも、地域包括支援センターで相談できる支援やサービスがあります。
困ったときは、まず相談してみましょう。
まとめ
ここまで、介護認定の流れを解説してきました。
- 申請
- 認定調査
- 主治医意見書
- 判定
- 結果通知
- サービス開始
このように、いくつかのステップを経て介護サービスの利用が始まります。
初めて調べると、制度や手続きが多く複雑で分かりにくいと感じる方も多いと思います。
「何から始めればいいの?」と迷ったときは、まずは地域包括支援センターに相談することから始めれば大丈夫です。
一人で抱え込まず、必要なサポートにつなげていきましょう。




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