
こんにちは。OTちゃりんこと、作業療法士のちゃりんです。
「ヘルパーは同居家族がいる場合、頼めないことが多い」
この一言、あなたも何度か耳にしたことがあるのではないでしょうか?
同居しながら親の介護をしていると、

ここだけ手伝ってほしいのに、なんで断られるの?

同居家族がいるだけで、どうしてサービスが制限されちゃうの?
そんな理不尽さやモヤモヤを感じる瞬間が多いと思います。
でもね、これだけは最初に伝えたいんです。
頼めないのはあなたのせいじゃない。
同居家族がいる場合は制限されるという、介護保険の古いルール(壁)にあるんです。
- 家族全員の食事は頼めない
- 共有スペースの掃除は頼めない
- 同居だと生活援助が制限されがち
こうした「一番つらい部分」ほど頼めない仕組みになっているんです。
私はOTとして現場で、
「ちょっとここを手伝ってもらえたら…」
というご家族の苦労を数えきれないほど見てきました。
- ヘルパーが同居家族がいる場合にできない理由
- 断られる家事の具体例
- 制度の壁を超えるための賢い裏ワザ(=自費サービス)
わかりやすく解説します。
制度に振り回されず、
あなたの心の余裕と自由な時間を取り戻すためのヒントとして、ぜひ最後まで読んでくださいね。
OTが教える!ヘルパーが『できないこと一覧』の裏側
では、ここからは 「ヘルパーが同居家族がいる場合に断る理由」 を、わかりやすく整理していきます。
まず大前提として知ってほしいのがこれです。
介護保険の訪問介護は家族のための家事をしてはいけない
つまり、ヘルパーさんができるのは要介護者本人の生活に必要な範囲だけ。
それ以外は、どれだけあなたが助けてほしい内容でも、制度上家事代行とみなされてしまい、お断りされる仕組みになっています。
特に、「同居家族がいる場合は家事を家族ができる」
という古い前提をもとに制度が作られているため、一番つらい部分ほど頼めない状況が起きやすいんです。

その結果…
- 家族全員分の食事はNG
- 共有スペース(台所・居間など)の掃除はNG
- ご本人以外の洗濯はNG
- 同居だと生活援助の回数がさらに制限されやすい
そんな「同居介護あるあるのモヤモヤ」が生まれます。
では具体的に、どんな行為ができないと判断されるのか?
OTとして、現場でよく見かけるものを下に一覧でまとめました。
「家族のため」の家事はNG!あなたの孤独を生む制度の境界線
先ほどお伝えしたように、
介護保険の訪問介護(生活援助)は要介護者ご本人の生活に必要なことだけを支援する仕組みです。
そのため、ヘルパーさんが行えるのは「ご本人が日常生活を送るために必要最低限の家事」だけ。
あなたが本当に助けてほしい部分であっても、ご家族のための家事に当てはまると、制度上「家事代行」と判断され、ヘルパーさんはお断りせざるを得ません。
さらに問題なのは、同居家族がいる場合は家事ができるはずという前提が制度の根底に残っていることです。
この設計のせいで、
- 家族全員分の食事
- 共有スペース(居間・キッチン)の掃除
- ご本人以外の洗濯
- 家族が使うエリアの片付け
など、家の中で最も負担の大きい部分ほど頼めないという矛盾が生まれます。
その結果、同居で介護をしている多くの方が

同じ家にいるだけで、なんでこんなに制限されるの?

私の負担は誰も見てくれないの?
と孤独を感じてしまうのです。
では具体的にどんな行為が「制度上NGになる」のか?
次に、ヘルパーさんが断らざるを得ない家事を一覧で整理していきます。
ヘルパーさんが断らざるを得ない具体的な家事リスト
| NGとなる行為 | 制度の裏側にある理由(OT解説) |
| 家族の食事作り | ご本人だけの食事を用意するのが原則。家族の分も作ると「家事代行」とみなされます。 |
| ご本人の居室以外の掃除 | 居間や台所など、家族が主に使う共有部分の掃除は原則できません。 |
| ご本人以外の洗濯 | 介護を受けている方以外の家族の衣類を一緒に洗濯・アイロンがけすることはできません。 |
| 庭の草むしりや窓ふき | 日常的な範囲を超える大掃除(大掃除、換気扇の分解清掃など)は含まれません。 |
| ペットのお世話 | 命の維持に直接関わらない(QOL維持は保険の対象外)と判断されます。 |
OTの解説:特に同居家族がいる場合の「生活援助」制限の落とし穴
特に、あなたのように同居して頑張っている方が一番苦しむのが、この制限なんです。
だって、介護保険って「同居家族がいるなら、家事の一部はあなたができるよね?」っていう古い考え方をベースに設計されちゃっているから。
その結果…
- あなたの負担がどんなに大きくても、生活援助(掃除・洗濯・調理)の回数や時間が厳しく制限される。
- 「仕事も家事も介護も」と頑張るあなたの「心の休憩時間」が、制度上、考慮されない。
この「制度の理不尽な線引き」が、あなたを追い詰め、「誰も私の大変さをわかってくれない」という、孤独な気持ちを生み出しているんですよ。
同居家族がいる場合はこの線引きがより厳しくなります。
可視化するとこうです。

QOL維持は「生活援助」ではない!保険の枠外に追いやられた親子の笑顔
ヘルパーが断らざるを得ないもう一つの大きな領域が、QOL(生活の質)の維持に関わるサポートです。
介護保険サービスは「生活ができる」が目的なので、「生きるための最低限の援助」に集中します。
その結果、「生活を豊かにする活動」は、贅沢なこととして枠外に追いやられてちゃうんですよね。
| NGとなる行為 | 制度の裏側にある理由(OT解説) |
| 趣味の付き添いや旅行 | 散歩や通院以外の長時間・遠方への外出は生活に必要とならないため、支援の対象となりません。 |
| 金銭管理や通帳の代行 | トラブルを避けるため、金銭管理や銀行・役所手続きの代行は基本的にできません。 |
| 長時間の話し相手 | 「話し相手」は単なる娯楽とみなされ、傾聴や見守りに時間を割くことができません。 |
つまり、「親御さんが笑顔になる時間」「あなたと親御さんの関係性が良好になる時間」を生み出すサポートこそが、介護保険から切り離されているのです。
OTが断言:頼れないのは「親不孝」でも「ワガママ」でもない。制度の構造が原因である
もしあなたが「別居している他者はヘルパーさんに家事全般を頼めているのに、私だけ…」と感じていたら、それ、全然間違ってません!
そうなんです。
別居している親子関係では、ヘルパーさんに親御さんの家のこと全てを頼めているケース、結構あるんですよ。
これって、あなたが頑張りすぎていないからではなく、制度が「物理的な距離」でサービス提供の可否を判断する構造になっているからなんです。
別居や二世帯でうまくいっているご家族は、「物理的な距離の工夫」をした結果、サービスを上手に使えているんです。
OTちゃりんからのメッセージ
物理的にすぐ別居できない状況でも、「自費サービスで『心の距離』を作る工夫」は、OTから見ても最も賢明な選択です。
頼れないのはあなたのせいじゃなくて、制度の構造が原因なんだから、あなたはもう十分に頑張りました。
これからは、賢く、楽になる権利を使いましょう!
自費サービスの真価:その「できない」こそが救いのサイン

あなたの罪悪感を「安心」に変える!自費だからこそ叶う4つのサポート
私が考えるに4つあります。
一つずつ見ていってください。
【尊厳の維持】

自費なら「時間に追われず、一緒にゆっくりやるケア」が可能になる。
介護保険サービスはどうしても効率重視になりやすく、ヘルパーさんが全部やってしまう展開になりがちです。
これは楽に見える一方、ご本人の 「できる力」 を奪ってしまいます。
自費なら、時間を気にせず“一緒にやる”ことができます。
- 認知症の方でも、一緒に料理・洗濯物を畳むなどの共同作業が可能
- 本人のペースに合わせて、焦らせずに入浴・排泄動作の支援ができる
- 「失敗したくない」という不安を減らし、尊厳を守るケアができる
OTの視点から見ると、これは生活そのものがリハビリになり、ご本人の意欲や自立心を大切にできるアプローチです。
【心の安定と休息】

あなたの休息のために時間を使えるのが、自費の最大の強み。
認知症の見守りや、夕方の不穏状態への対応、これは介護者の心をすり減らす大きな原因です。
自費サービスなら、目的を「あなたの休息」に設定できるから本当に助かります。
- 長時間の見守り・傾聴
- 突発的な行動への対応
- あなたが美容院・買い物・勉強している間の安心サポート
「何かあったらどうしよう」という緊張状態から解放され、あなたの心の余裕が戻ってきます。
【生活の質の向上】

自費なら生活を楽しむための外出や活動が自由に実現できる。
介護保険では生活に必須じゃないと判断されがちな活動、つまり 「楽しむための外出・趣味・付き添い」 が、自費なら全部OK。
- 病院の待ち時間の散歩や会話
- 趣味・買い物・カラオケ
- 旅行や外出先での入浴介助や見守り
「こんなことまで頼めるの?」という自由度で、親御さんの生きがいと社会参加を大切にできます。
【家族のSOS(家事・見守りの代行)】

家族のための家事も堂々と頼めるから、あなたの負担が一気に軽くなる。
自費最大のメリットは、介護保険ではNGの“家族のための家事”が自由に頼めること。
- 家族全員分の食事づくり
- 共有部分(キッチン・リビング)の掃除
- あなたが不在の間の見守り
介護・家事・仕事が重なる“同居介護の地獄”を抜けるための、最も現実的で確実な助けになります。
2-2. OTが提言!自費は「贅沢」ではない。親子の関係を笑顔に戻す『賢明な投資』である
「自費」と聞くと、「贅沢だ」「お金がかかる」と感じるかもしれません。
また、「いつまで生きるかわからないから、お金は取っておいたほうが…」という気持ちも、痛いほどよくわかります。
正直な話、自費に頼むのはだめなんじゃないのか、お金がかかって贅沢なんじゃないかと思うかもしれません。
私もいろいろ考えましたが、最近思うんです。
お金出しても、あなたと親御さんが少し楽な生活をして、笑顔の時間が増えたほうがいいのでは?と。
もちろん、いくらお金を持っているかというところもあるので、みんなにおすすめできるかというと、うーん。という部分はあります。
ですが、お金を残して遺産相続で家族が揉めてしまうケースも多く見てきました。
死んだらお金は持っていけません。
少しの時間や心の余裕を、お金で買ってもいいんじゃないかと思うんです。
親御さんの「生きがい」とあなたの「心のゆとり」を買う。
これこそ、共倒れを防ぎ、互いに笑顔でいられる時間を買う、最も効果的な親孝行なのです。
まとめ:OTちゃりんが断言します。
自費サービスは「贅沢」ではなく、あなたと親御さんを守るための選択肢です。
あなたは今まで、制度の壁の中で本当に精一杯頑張ってきました。
「ヘルパーに頼めない…」という行き詰まりは、もう無理しないでという心のSOS でもあります。
同居家族がいると制度はどうしても厳しくなりがち。
だからこそ、自費サービスという自由度の高いサポートを選ぶことは、後ろめたいどころか、とても現実的で賢い決断です。
どうか、自分を責めないでくださいね。
あなたが一息ついて、落ち着いて親御さんと向き合える時間こそが、これからの介護を続けるためのエネルギーになります。
【次の一歩:リスクゼロで始められます】
- 話を聞くだけでもOK
- 相談は無料のところが多い
- あなたの予算や状況に合わせて調整も可能
まずは、「どんなサポートがあるのか?」を知るところからで大丈夫です。
あなた自身の負担を軽くし、親御さんとの関係を穏やかに保つために、ぜひ一度、自費サービスの選択肢をのぞいてみてくださいね。


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