今、この記事を読んでくれているということは、きっと介護認定調査を前にして、「これで大丈夫かな…」と少し不安になっているのではないでしょうか。
介護って、本当にゴールの見えないマラソンですよね。
家族のために「私が頑張らなきゃ」と、気づかないうちに心も体もすり減っていませんか?

OTちゃりんこと、作業療法士のちゃりんです。
まず最初に、ひとつだけ伝えさせてください。
介護認定を申請したあなたの判断は、間違っていません。
それどころか、親御さんとあなたの生活を守るための、とても大切な一歩です。
介護認定、「損したくない」って正直思いますよね?
介護認定調査って、すごく大事。
だって、この結果(介護度)で、サービスがどれだけ使えるかが決まっちゃうんですから。
介護度が多めに出れば、費用はかかるけど、その分サービスをたっぷり使えて、あなた自身のホッとできる時間が作れます。
でも、不安ですよね。
- 「調査員に何を聞かれて、どこまで伝えたらいいの?」
- 「ウチの親、調査員の前で急にシャキッとしちゃいそう…」
伝え方ひとつで、必要な介護度よりも低く出てしまい、結果的にあなたの介護負担が重くなる…なんてことになったら、絶対後悔します。
大丈夫!私は、調査員が本当にチェックしているポイントをちゃーんと知っています。
この記事では、「損をしないための伝え方」と、「まさかの時に備える裏ワザ」を、分かりやすく、こっそりお教えします。
さあ、不安はポイっと捨てて、私と一緒に「安心」と「自信」を持って、認定調査に臨みましょう!
介護認定が「後悔しない介護」の第一歩である理由

介護保険の申請なんて、まだ早いかな

親に申し訳ないから、できる限り自分でやらなきゃ
もし、あなたがそう思って申請をためらっているなら、ちょっと立ち止まってください。
介護認定を受けることは、「家族の責任を放棄すること」ではありません。
むしろ、親御さんとあなたの生活を守るための一歩です。
介護認定が出れば、みんなで一緒に介護をしていこう!と助っ人ができて、1人で抱え込まなくて良くなります。
介護認定が遅れることで生じる「3つのリスク」
申請を先延ばしにすることがどんなリスクを生むのか、作業療法士として一番心配な3つの点をお伝えします。
①リハビリや環境整備のベストなタイミングを逃すリスク
私たちOTが現場で感じるのは、「もっと早く制度を使っていれば、防げたのに…」というケースです。
例えば、リハビリは早ければ早いほど動ける時間は長くなりますし、手すりなどの住宅改修も、転倒する前に設置できれば、親御さんの「自分でできる」期間を長く保つことができます。
認定が遅れると、そのベストなタイミングを逃してしまいます。

一緒にどうしたら良いか考えていきたいと周りは思ってますよ。
②あなたの「介護疲れ」による共倒れのリスク
親御さんの介助であなたの睡眠時間が削られ、イライラが募り、体調を崩す——。
介護疲れは、誰も責められない、非常に深刻な問題です。
あなたが倒れたら、誰が親御さんを支えますか?
介護認定は、みんなで力を合わせて支えていこうとという制度です。
これをためらうことは、共倒れのリスクを高めることに直結します。

あなたが倒れたら、悲しくなっちゃいます。。。
③適切な介護度が認定されにくいリスク
認定調査が遅れるほど、親御さんは「要介護状態」に慣れてしまい、認知機能の低下が進行し、正確な状況把握が難しくなることがあります。
早く申請すれば、「困り始めの、現状の困りごと」を正確に伝える準備期間が持てます。
これも、後で解説する「損しない伝え方」に繋がりますよ!

慣れって怖くて、頑張りすぎててもまだまだってなっている人多いです。
OTが教える!認定調査で「損をしない」ための賢い伝え方
介護認定調査は、まるで面接のようです。
「何をどこまで話せばいいの?」と迷うのは当然です。
でも、安心してください。
認定調査は、あなたの「介護の苦労」を測る面接ではなく、「親御さんが日常生活でどのくらい手助けを必要としているか」を記録するヒアリングです。
調査員が本当に知りたいこと、そしてあなたが絶対に伝えるべきポイントをお教えします。
認定調査で最も大切な「している」と「できる」の違い

これが、介護認定調査で最も重要であり、多くの方が誤解している最大の落とし穴です。
介護認定調査で、最も多い誤解が「できる=一人で安全に問題なくできている」と思ってしまうことです。
調査で見られているのは、介助や見守りがなくても、本当に成り立っているかという点です。
【OT視点】「している」と「できる」はここが違う
| 質問の答え | 実際に起きていること(OTが見る視点) | 認定で見られるポイント |
| 「着替えは自分でしています」 | ・時間がかかりすぎる・途中で声かけや手直しが必要・服の準備は家族がしている | 介助・見守りの必要性 |
| 「トイレには一人で行けます」 | ・失敗が多い・後始末はできない・夜間は間に合わないことがある | 動作の安全性・リスク |
【ここが重要】
大切なのは「一応できているか」ではなく、介助や見守りがなかったらどうなるか です。
- 介助がないと転びそう
- 見守りがないと失敗する
- 声かけがないと動けない
こうした 裏側の支え を、具体的に伝えることが適切な介護度につながります。
OT流「生活の困りごと」の伝え方(3つのポイント)

「困りごと」を伝える際、ただ漠然と「です」と言うだけでは、必要な介護度には繋がりません。
OTが普段、生活指導でチェックしている3つの具体的な視点で伝えましょう。
①「現状」よりも「直近の最も大変だった状況」を伝える
調査当日の様子だけでなく、
- 先週の雨の日には、玄関で転びそうになった
- 昨夜はトイレを探して徘徊があった
- 着替えが1人でできなくて着せるのに時間がかかる
など、直近で最も介助が必要だった具体的なエピソードを伝えましょう。
「このままでは危ない」という切迫感が伝わります。
②「認知面の困りごと」を具体的な行動で伝える
認知症の症状は、介護度判定に大きく影響します。単に「物忘れがある」ではなく、OT流に「生活の中の活動」と紐づけて伝えてください。
- (例)「火の消し忘れを3回注意した」
- (例)「買い物に行っても同じものを何度も買ってくる」
- (例)「薬を飲んだかどうか、何度も聞いてくる(服薬管理の介助が必要)」
③「あなたが代わりにやっていること」を具体的に伝える
親御さんが「できる」と思っていても、あなたが先に手を回してやっていることはありませんか?
- (例)「朝起きて、準備に関してはすべて声かけをしている」
- (例)「トイレは間に合わないので、時間を決めて声かけをして連れて行っている(排泄介助)」
- (例)「危ないので、入浴の見守りを必ずしている」
あなたが頑張って隠している「困りごと」こそが、必要な介護度に繋がる大切な情報です。
誰も教えてくれない!認定調査の「隠れた落とし穴」と対策
「伝え方」をマスターしても、まだ油断は禁物です。
認定調査には、当日ならではの「隠れた落とし穴」があります。
これは、制度のせいというより、親御さんの心理や、情報が漏れてしまう仕組みに起因します。
プロの視点から、その落とし穴と、それを防ぐOT流の「裏ワザ」をお伝えします。
調査当日「ついつい頑張ってしまう」という落とし穴
親御さんは、調査員という「見知らぬ人」や「行政の人」が家に来ると、「しっかりしなきゃ」と思ってシャキッとしてしまいます。
特に、病院に行って先生の前になるとしっかりしてしまい、いろいろ先生に訴えても「え。。。?」となったりしてしまいませんか?
これ、介護者にとって最も頭を悩ませる「あるある」ですよね。
OT流の対策:調査員への伝え方のコツ
親御さんが頑張りすぎてしまうのは仕方ありません。
そこで、あなたが情報提供のプロになりましょう。
事前に親御さんに伝える
調査員が来る理由を「今の状態を聞いて、国から受けられるサービスを決める会議に使うだけ。
できないことを伝えても不利にならないことを伝えて、安心してもらいましょう。
【ここがポイント】
サービスを使いたくない親御さんには、無理に協力をお願いしても逆効果です。
親御さんの様子を見て、この伝え方でいいか判断してくださいね。
調査員に個別に伝える時間を確保する
親御さんが聞かれている時に、あなたが現状を伝えるのももちろんOKです。
ですが、親御さんの前では言いにくいことも多いですよね。
その際は、親御さんの聞き取りが終わった後で、「少しだけ個別に確認したいことがあります」と切り出し、調査員に難しい現状を伝えましょう。
調査員も素人ではありません。
こういうケースは多く見ているので、「時間が長くなって申し訳ないな〜」とか、「二度手間にさせてしまうかな」とか思わずに、現状をしっかり伝えましょう。
私たち専門職も、必要な情報を伝えるために、こういう工夫は良くしますよ!
できることをできないと伝えるのはダメですが、「あなたの介助がないと危ない」という本当のことを伝えるのは、とても大切です。
調査員に専門的な視点を伝えるための「裏ワザ資料」
調査員は限られた時間でしか親御さんの様子を見ることができません。
口頭で伝えるだけでは、あなたの苦労や詳細な情報は、記録として残りづらいことがあります。
そこで活用したいのが、「困りごと可視化資料」です。

対策:「3行メモ」の有効活用
調査員が見ていない日々の大変さを伝えるために、以下の3つの要素を含む簡潔なメモ(3行メモ)を準備しておき、調査員に「これ、見てください」と渡しましょう。
- 日時(いつ):「昨日の夜2時」
- 具体的な行動(何が):「家に帰ると言い玄関のドアを開けて外に出ようとした(徘徊リスク)」
- あなたの介助(どうなった):「私(子ども)が起こされて制止した(見守りが必要)」
この「3行メモ」は、普段のあなたの介助が「見守り」や「危険回避」として機能している証拠となり、調査員の判断を補強する強力な資料となります。
OTからのメッセージ:後悔しない介護のために
さあ、認定調査への準備、本当にお疲れ様です!
認定調査は、単なる手続きではありません。
「あなたが一人で背負う介護」から、「みんなで力を合わせて支える介護」へ、一歩踏み出すための大切な通過点です。
この記事でご紹介した「伝え方のコツ」は、普段親御さんと接していれば「こういうこともあった!」と思い当たることが多いと思います。
でも、とっさには言葉にするのは難しいので、今日ご紹介したように下準備をしておくと、当日グッと安心感が持てますよ。
小さな工夫の先にこそ「後悔しない」安心がある
介護認定が通れば、デイサービスや訪問サービスなど、あなたの負担を軽くしてくれるプロのサポートが利用できるようになります。
でも、サービスを使い始めても、いつか「もうこれ以上は無理かも…」と限界を感じる時が来るかもしれません。
もしその壁にぶつかったら、まず一緒に介護をしているプロに相談してください。
私が現場で多くの親子関係を見てきて気づくのは、たとえ口論になったり、親御さんがきつい言葉を投げてしまったりしても、「本当は子どもに迷惑をかけたくない」と思っている方がとても多いということです。
愛情表現が不器用なだけ。
なんだかんだ、親は子どもを愛しているんです。
たまに意地悪な人もいますが(笑)
だからこそ、あなた自身が頑張りすぎずに外に頼ることが大切なんです。
限界を感じたときこそ、次の選択肢「施設検討」へと進むことも一つの選択肢です。
その選択をすることで、あなた自身が元気でいてくれることこそが、親御さんにとって最大の安心になるんです。
介護認定は、あなたが楽をするための制度ではありません。
親御さんと、あなたが「長く笑顔で一緒にいられる時間」を守るための制度です。
まとめ
この記事では、【OT流・認定調査対策】として、あなたの不安を安心に変えるための重要なポイントをお伝えしました。
- 認定は「後悔しない介護」の第一歩であり、申請の遅れは大きなリスクになります。
- 調査では、「している」と「できる」の違いを意識し、「介助や見守りがないと危ない」という真実を伝えましょう。
- 調査員には、「頑張りすぎ」てしまう親御さんの普段の様子を「3行メモ」などの裏ワザを使ってしっかり伝えましょう。
さあ、これであなたは最高の準備ができました。
自信を持って認定調査に臨んでくださいね。


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